還暦過ぎの行政書士チャレンジ

法律初学者の爺さんが第二の人生として行政書士に挑戦する記録です

【メモ】後見開始の審判の意味

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【参照書籍】新スーパー過去問ゼミ5 民法Ⅰ p33No7肢1,p36.

Aは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあったが、後見開始の審判を受けないまま、意思無能力の状態でAが所有する土地をBに売却した後で死亡した場合、Aの相続人Cはこの土地の売買契約について無効を主張することができない。(×)
 
このケース、なんとなくうろ覚えで「意思無能力者の行為は無効」というのがあって「☓」にはするけど…
一方で、そうであれば「後見開始の審判」という制度の意味が無いんじゃないか?という疑問が残る。

民法3条の2よりCは無効を主張できる
 しかし、そのためにはCは契約時に意思無能力であったことを証明しなければならない
 それを、証明するには契約に医師が立ち会っていたとかでない限り証明は難しい
 ならば、制限行為能力者を保護できない
 だから、後見開始という審判に意味がある
 …というロジック
要するに、法的に主張が出来ても、現実的には、審判を受けておかなければ主張が通ることはほぼ無いから、そこを補うために制限行為能力者の審判という制度がある。

★結論として、 疑問の種は、問題を正しく理解していないから。
この問では、主張ができるかできないかを問われているのであって、無効となるかならないかを問われているわけじゃない!